ただいま! スペインに行ってきました。
5年ぶりに母国に帰って家族の皆や古くからの友達に会うことができ、お互いの再会を喜びあいました。と同時にスペインの雰囲気のさまざまな変化と日本の習慣との違いに、戸惑いや違和感もありました。

17世紀のスペインの作家が体面と礼節について、日本人とスペイン人が一番似ていると言うことを読んだ覚えがありますが、今のスペインは公衆のマナーが非常に悪くなっているようです。帰りの飛行機便が運良くJALだったので、客室乗務員(flight-attendant)の温かい微笑みと世話好きの態度に接して、やっと、くつろぐことができました。
 
スペイン滞在中に、主に3つの楽しいことがありました。
一つは、喜びと愛情に溢れた家族とのいろいろな集まり、中でも元気に百歳の誕生日を迎えたカルロス叔父のお祝いが印象に残っています。そしてまたマドリード教区の34歳の甥(おい)の司祭と一緒に捧げた感謝のミサも思い出深いものでした。自分の子供はいないのですが、甥、姪とその子供と孫や曾孫で70人程が集まり、きれいな山の教会が一杯になりました。そのあと、近くのホテルで大人だけ40人以上の楽しいパーティーがありました。叔父と叔母のほかでは、私が一番の年長だったので、驚きとも、がっかりともつかぬ不思議な感じがしましたが、子供たちが沢山いましたので大きな慰めになりました。それから又、そこに参加できなかった人や、生まれたばかりの3人も含めて会うことができましたので、うれしく、良い思い出になりました。

二つ目は、60年前にイエズス会に入会した6人の懐かしい仲間とミサや数々の楽しい思い出話をしながらの食事会を持ったことです。
皆の健康状態はさまざまで、すごく(見たかぎりでは)元気で活発に司牧の仕事をしている人もいれば、神様に結構強い痛みを捧げながら有益なカウンセリングの仕事を続けている人もいます。皆良く頑張っているなあ、と励まされもし、鍛冶ヶ谷教会を思い出しては感謝の気持ちで胸が一杯になりました。

三つ目は、60年前にマドリードのイエズス会の高校を卒業した20人が集まって一緒に食事をしたことです。当時、120名ぐらい卒業しましたがもう53名は帰天してしまいました。楽しい昔の話を交しながら、あの学校でいただいた教育のすばらしさに、今更ながら感謝の気持ちでいっぱいになりました。あの学校で学んだことは、後に、様々な職業―医者、弁護士、会社、政治、司祭職など、多方面において、よい収穫をもたらしています。青春時代を懐かしみつつ、経てきた年月の重さを感じながら、これからも、神様に与えられた“時”をより良く使って行きましょう、という雰囲気の、とても楽しいクラス会でした。

私は、この実り豊かな旅行を可能にしてくださった皆様に毎日の祈りの中で感謝をしていました。有難うございました。