この祈りは、イエスの母と我が母であるマリアへのとりなしを頼む祈りで、「主の祈り」の後の祈りとして、ローマ・カトリック教会とギリシア正教の信徒の間にもっとも人気があるものです。

祈りはふたつの部分からなっていて、他の人と唱えるときは、先唱者と他の信者が交代でその部分を言います。
第一の部分は、ルカによる福音書に基づいています。先ず天使ガブリエルのお告げのあいさつの言葉です。「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる」(ルカ 1-28)、それと、乙女マリアはエリサベトを訪問したとき、次の言葉で歓迎されました。「あなたは女の中で祝福された方です」(ルカ 1-42)。

第二の部分は、聖母マリアに、神様と罪びとである私たちが和解することと、この世で、今、必要としている様々の恵みと、そして最後のときに永遠の祝福を私たちに与えてくださるように、とりなしてくださいと願って終わります。締めくくりとして、祈ったことを皆で「アーメン」と言い、確固としたものにします。

それでは、これからもう少し詳しくこのふたつの部分を説明しましょう。


アベマリアの第一部分

最初の言葉は、ギリシア語では「ハイレ!」で、「よろこべ」と言う意味ですが、日本語では「おめでとう」と聖書に訳されています。文語体の「天使祝詞(アベマリア)」は「めでたし」とされていましたが今はなくなりました。なぜでしょうか。私は分かりませんがおそらくその言葉の意味が、言語によって違うようです。ラテン語は「アベ」になりました。「アベ」と言う言葉は特に意味がなく、相手を呼びかける声だけです。英語の 「ヘイル!(ハロー)」のような役割を果たしています。そのために新しい口語体の「アベマリア」からなくなりました。ただ「聖マリア」だけで十分です。

「恵みあふれる」は聖書からそのままとられました。マリアは神の恩恵といつくしみで一杯になってこぼれるほど聖なる方です。それで日本語では今、マリアの名前の前に「聖」を冠して「聖マリア」と呼んでいるのです。

「主はあなたとともにおられます」は聖書からそのまま使われています。メシアの母の使命を果たすために、神ご自身はいつも一緒に働きます。
ところが、続くエリサベトの歓迎の言葉、「あなたは女の中で祝福された方です」は、「天使祝詞」には「おんみは女のうちにて祝せられ」でしたが、今は「主はあなたを選び、祝福されました」となりました。なぜでしょうか分かりませんが、確かに聖母マリアはくらべものにならない、よりすぐれた方です。こんなすばらしい母に信頼して祈りましょう。

主任司祭 ハイメ・カスタニエダ