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第56回「世界平和の日」
教皇メッセージ(2023年1月1日)
「だれも
一人で救われることはない。
COVID-19からの再起をもって、
皆で平和の道を歩む」

主任司祭 ヨハネ・ボスコ 林 大樹


 1月1日は「神の母聖マリア」の祭日であるとともに「世界平和の日」であり、教皇メッセージが発表されています。私なりに教皇メッセージを下記のようにまとめました。

 COVID-19によるパンデミック
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、日常の生活を揺るがし、やろうとしていた習慣を狂わせ、社会の平穏を乱し、混乱と苦しみを生み出し、多くの兄弟姉妹を死に至らしめました。医療介護業界の従事者は、膨大な数の人の苦痛の対処と治療のために動員されました。同様に行政当局も、緊急事態の制度や運用面で思い切った措置を取らなければなりませんでした。
 加えて、COVID-19は長期的な不安感をもたらし、多くの人や家庭の心を覆いました。
 さらにCOVID-19によるパンデミックは、多くの人の雇用の安定を脅かしました。例えば、世界の多くの地域の、何百万人ものインフォーマル経済の労働者(国や自治体の法的枠組みの外で営われている、生産や商売等の経済活動の従事者。特に途上国に顕著。世界の就業者の6割、20億人以上が該当。ほとんどが社会保障制度の枠外に置かれている)は、外出禁止の間、職を失い、何の支援も受けられずにいました。
 また、進歩、テクノロジー、グローバル化の効果、これらに寄せる信頼は過剰であったばかりか、格差、不正義、貧困、排斥を拡大し、不安や対立をしばしばあおぎ、暴力や戦争までも引き起こしました。
 事実、ウクライナでの戦争は、罪なき命を奪い、直接の被害者ばかりか、小麦不足や燃料費高騰のように、その余波に私たちは苦しめられています。COVID-19のワクチンは開発されましたが、戦争終結の有効な解決策はまだ見つかっていません。戦争を引き起こすウイルスは、COVID-19のウイルスよりも克服が困難です。それは、戦争が、人間の外から来るのではなく、罪によって腐敗した、人間の心の中から生じるものだからです(マルコ7章17−23節)。

 COVID-19のパンデミックから
  学んだこと

 COVID-19のパンデミックから学んだ最大の宝は、私たちは皆互いを必要としているという気づきであり、等しく神の子どもであることに基づく兄弟愛だという気づき、そして、だれも一人で救われることはないという気づきです。
 この気づきは、「共に」という言葉を改めて中心に据えるよう、すべての人、民族、国家に訴える強い意識が芽生えました。平和を築き、正義を守り、悲痛な出来事を乗り越えるには、まさしく、共にあること、兄弟愛と連帯のあること、それが必要なのです。  
 事実、パンデミックに最大の効果を発揮した対応は、難局に対処するために、社会集団、公的機関と企業、国際機関が、個々の利害を脇に置いて、一致団結したことでした。兄弟愛で私欲のない愛から生まれる平和だけが、個人の、社会の、世界の危機を克服できるのです。

 COVID-19からの再起
 COVID-19からの再起として、私たちに何が求められているのでしょうか。私たちはもはや、個人や国家の利益になるものを守ることだけを考えるのではなく、利益を守ることを共通善に照らし、共同体意識をもって、言い換えれば普遍的兄弟愛に開かれた「私たち」として、考えていかなければならないのです。
 そこで、私たちが具体的になすべきことは、,垢戮討凌佑悗慮的医療保障制度に再度取り組むこと、犠牲者と貧困を生み続ける紛争と戦争に終止符を打つための平和行動に着手すること、6δ未焚函福畸狼紂砲魄戝彙跳襪靴謄吋△掘気候変動に取り組むための明確で効果的な対策を実行すること、こ丙垢箸いΕΕぅ襯垢叛錣ぁ△垢戮討凌佑某糧とディーセントワーク(人間の尊厳にかなう職)を確保し、最低賃金さえ得られず困窮にあえぐ人たちを支援することです。

 使徒パウロのテサロニケの教会への手紙から
 「兄弟たち、その時と時期についてあなたがたには書き記す必要はありません。盗人が夜やって来るように、主の日は来るということを、あなたがた自身よく知っているからです」(汽謄汽蹈縫5章1−2節)。

 この言葉で使徒パウロは、テサロニケの共同体に、主の再臨を待つ間も、心と足を固く大地に着けて踏ん張り続け、歴史の現実と激動をよく見るようにありなさいと呼びかけました。ですから私たちには、COVID-19のパンデミックやウクライナでの戦争により、この世界があまりに悲劇ばかりに見え、不正義と苦悩の暗く険しい(けわしい)トンネルに押し込まれていると感じたとしても、神に信頼し、希望に心を開いておくように求めています。

 最後に、教皇様は新年の祝辞を述べます。「COVID-19のパンデミックから学んだ反省を皆さんと分かち合いながら、歴史の教訓にして、共に新しい年を歩んで行きたいと思います。善意あるすべての人が、その手で日々平和をこしらえる職人となって、よい一年となりますように。イエスの母、平和の元后、無原罪の聖マリアが、私たちのために、そして全世界のために執り成してくださいますように」。
2023年1月1日(日)
鍛冶ヶ谷教会 主日ミサ 説教


■今回の教皇メッセージの全文は、カトリック中央協議会のWebサイトでご覧になれます。
https://www.cbcj.catholic.jp/2022/12/26/26176/


※ 注(Web担当者より)
●本文中で斜字(イタリック)になっている部分は、原文(Wordファイル)ではフォントが明朝からゴシックに変更されている部分ですが、Web上でフォントを使い分けるのは難しいので、斜字で代用させていただきました。ご容赦を。
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